③初期Ⅲ:親しみやすく明快なメロディーと明朗なサウンドの時代
⑥空海時代Ⅰ:空海の旅シリーズ第Ⅰ期 Vol.1~2 の時代
⑦空海時代Ⅱ:空海の旅シリーズ第Ⅱ期 Vol.3~4 の時代
⑧空海時代Ⅲ:空海の旅シリーズ第Ⅲ期 Vol.5~ 現在の時代
(喜多郎さんYouTube公式チャンネルより)
『シンフォニー・ライブ・イン・イスタンブール』(2014) YouTube再生リスト
全体的に、とっつきにくい感じの曲調が増え、人によって好みが分かれる傾向になって来ていた、00年代後半~10年代前半の“空海時代Ⅱ”。
その流れを断ち切り、大きく変化させたのが、2014年の“シンフォニック・ワールド・ツアー”である。
喜多郎さん初の、オーケストラとの共演によるコンサート・ツアーで、そのライブ盤『シンフォニー・ライブ・イン・イスタンブール』は、喜多郎さんの代表曲を新たな切り口で味わえる名盤となった。
そして、2017年発売の『空海の旅5』では、前作『空海の旅4』に見られたような、ある種の“暗さ”や“重苦しさ”が消え、音の数を少なくした、シンプルで透き通るような、透明感のある作風に変化している。
喜多郎さんの作風は、新たなステージ・新境地に入ったと言える。
メロディーよりも、全体的なサウンドを重視した楽曲は、喜多郎さんの最初期、『天界』や『大地』の頃に通ずるものがあり、『空海の旅5』からは、喜多郎さんの原点回帰と復活を感じとることができた。
新たな作風に入った喜多郎さんの、今後の作品にも注目したい、“空海時代Ⅲ”の到来である。
<この時代のオススメ作品>
◎『シンフォニー・ライブ・イン・イスタンブール』より「シンキング・オブ・ユー」
グラミー受賞アルバムより「Thinking of you」が、オーケストラ・アレンジによって、優美で抒情的なアンサンブルで名演を繰り広げている。ライブ・アルバム『シンフォニー・ライブ・イン・イスタンブール』は、喜多郎作品初心者にも強くオススメできる、代表曲を網羅したアルバムとなっている。
◎『空海の旅5』より「Wind Invitation」
透き通るようなピアノ・サウンドが印象的な曲。喜多郎さんの作品の中で、この曲ほど、ピアノの美しいサウンドを堪能できる作品は、これまでにはあまり無かった。喜多郎さんの新境地を感じさせる良曲である。