③初期Ⅲ:親しみやすく明快なメロディーと明朗なサウンドの時代
⑥空海時代Ⅰ:空海の旅シリーズ第Ⅰ期 Vol.1~2 の時代
⑦空海時代Ⅱ:空海の旅シリーズ第Ⅱ期 Vol.3~4 の時代
⑧空海時代Ⅲ:空海の旅シリーズ第Ⅲ期 Vol.5~ 現在の時代
(喜多郎さんYouTube公式チャンネルより)
2001年の9.11テロをきっかけに、平和への祈りを込めたプロジェクト“空海の旅シリーズ”を開始した喜多郎さん。
四国八十八ヶ所の寺院の鐘の音を録音し、曲の中に織り込む
という独自のシリーズ。アルバムにして、全10枚になる予定の壮大なプロジェクト。
その内の、『空海の旅』Volume1~2を、シリーズ第Ⅰ期と位置付けている。
シリーズ最初期であるこの時代は、年代で言うと、00年代前半にあたる。
作風は、NHK『四大文明』の関連作だった、アルバム『an ancient journey 永遠の時を』の作風を受け継ぎつつ、より“和風”なものに昇華させた色合いが濃い。
喜多郎さんが、これほどまでに強く、日本的な要素、和風な作風とテーマ性にこだわって作品を生み出したのは、『古事記』以来となる。
(その間の作品も、和風と言えば和風と言えなくもないのだが、ジャケット・デザインやテーマ性も含めて、総合的・全体的に“和”という要素を凝縮した感じなのは、やはり『古事記』以来と言えるだろう)
『空海の旅』シリーズでは、壮大なスケール感よりも、内面的なものを見つめるような、“侘び寂び”を感じさせる作風へと変化している。
この“空海時代Ⅰ”および、その前の“アメリカ時代Ⅱ”の作風、90年代後半から00年代前半の頃の作品が、個人的には最も好きである。
<この時代のオススメ曲>
◎『空海の旅』より「Earth in Bloom 山と花」
これぞ、“和”を感じさせる喜多郎サウンドの真骨頂。優美で幻想的なサウンドが素晴らしい。
◎『空海の旅2』より「Koki 鼓気」