<喜多郎さんの作風の変遷について>

⑥空海時代Ⅰ:空海の旅シリーズ第Ⅰ期 Vol.1~2 の時代

 

(喜多郎さんYouTube公式チャンネルより)

 

『空海の旅』(2003YouTube再生リスト

 

『水に祈りて』(2004YouTube再生リスト

 

『空海の旅2』(2005YouTube再生リスト

 

 

2001年の9.11テロをきっかけに、平和への祈りを込めたプロジェクト空海の旅シリーズを開始した喜多郎さん。

 

四国八十八ヶ所の寺院の鐘の音を録音し、曲の中に織り込む

という独自のシリーズ。アルバムにして、全10枚になる予定の壮大なプロジェクト。

 

その内の、『空海の旅』Volume12を、シリーズ第期と位置付けている。

 

シリーズ最初期であるこの時代は、年代で言うと、00年代前半にあたる。

 

作風は、NHK『四大文明』の関連作だった、アルバム『an ancient journey 永遠の時を』の作風を受け継ぎつつ、より和風なものに昇華させた色合いが濃い。

 

喜多郎さんが、これほどまでに強く、日本的な要素、和風な作風とテーマ性にこだわって作品を生み出したのは、『古事記』以来となる。

 (その間の作品も、和風と言えば和風と言えなくもないのだが、ジャケット・デザインやテーマ性も含めて、総合的・全体的に“和”という要素を凝縮した感じなのは、やはり『古事記』以来と言えるだろう)

 

『空海の旅』シリーズでは、壮大なスケール感よりも、内面的なものを見つめるような、“侘び寂び”を感じさせる作風へと変化している。

 

この“空海時代Ⅰ”および、その前の“アメリカ時代Ⅱ”の作風、90年代後半から00年代前半の頃の作品が、個人的には最も好きである。

 

 

<この時代のオススメ曲>

 

◎『空海の旅』より「Earth in Bloom 山と花」

これぞ、“和”を感じさせる喜多郎サウンドの真骨頂。優美で幻想的なサウンドが素晴らしい。

 

◎『空海の旅2』より「Koki 鼓気」

和太鼓を取り入れつつ、雄大で広がりを感じさせる、ゆったりとしたサウンドが美しい。個人的には、“空海の旅シリーズ”の中では、第2作目『空海の旅2』が一番好き。

 

 

喜多郎さんの主要作品一覧・目録